わたしたちのLOVE ROAD〜幼馴染と幸せになる方法〜
◇◇◇

「俺さ、花村に告られたんだよね。どうしよっかなーって思ったけど、付き合ってやることにしたわー。」

ユニフォームを脱いで着替えようとしていた俺は、その言葉に衝撃を受けた。

え?
美湖が?
上村先輩に告った?

ふんっ。
ありえねーだろ。

その日甲子園で開会式を迎え、エースナンバーをつけた俺は、開幕1試合で見事完封勝利をあげていた。

そこにいた野球部のメンバーは上村先輩のほうを見て笑いだした。

「マジかよ。それはありえねーだろ?だってよ。花村には…」

チラッと俺の方をみんなが見る。

「ほんとだって。ウソだと思うならこれからよく見てろよ。証明してやるからよ。」


そしてその日から俺の周りはものすごいことになった。

『甲子園で完封初勝利を挙げたイケメン2年生ピッチャー!』

として取り上げられ、新聞、マスコミだけじゃなく、女たちの人だかりができるようになり、学校も俺に対して厳重に警備をし始め、美湖と話す機会もなく、甲子園宿舎での日々が過ぎていく。

そして、確かに美湖をチラチラ見る限りでは、俺がエースナンバーを奪った上村先輩と話しているところをよく目にするようにはなった。
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