僕の夢が見つかった瞬間
「あっ!お父さん!」

「よぅ!よく頑張ってるな!えらいぞ!」

そう言い、店主は息子の頭を大きな手で撫でた。

「いたい!いたい!ん?後ろの子は、誰?」

「あぁ、子の坊主はな、うちの常連客だ!」

店主は、俺の背中を押した。

「わっ!とととっ!初めまして、ひろきと言います。」

俺は、自己紹介をした。

「わー!よろしく、ひろきくん!僕は、はるき!よろしくね!」

そう言い、挨拶を交わした。すると、はるきが震えていた。

「え!?どうしたんですか?」

俺は慌てた。そして、はるきの顔を覗き込むと、はるきは何故か嬉しそうな顔をしていた。

「だって…。嬉しいんだもん!同い年の子と会って話ができるなんて!やったー!今日のリハ

ビリ早く終わらすね!」

そう言い、はるきはまたリハビリを再開した。

「あんなに明るい子が体が悪いなんて…。」

「あいつはな、同年代の子と会って話もできないんだ・・・。だから、それで連れて来たってのも

あるし、坊主が何か掴む、いいきっかけになってくれたらなっていうのもあるんだ。」

そう言い、店主は少し嬉しそうな顔をした。
< 5 / 18 >

この作品をシェア

pagetop