ハートの国の王女様は、三人の王子に求婚される
後ろを恐る恐る振り返ると、クローバーの国の王子がにこやかに笑っていた。その目は笑っていない。
「杏、君は僕のものだよね?な〜んで他の男にそんなことしてるのかなぁ?」
そう言いながらクローバーの国の王子は杏に近付き、杏の頰に優しくキスをする。
「ひゃっ!」
杏の体がびくりと震える。三人の王子は、満足げに笑った。
「……お前、かわいいな」とスペードの国の王子。
「だぁい好き!」とダイヤの国の王子。
「もう!僕以外の人にそんな顔見せないでよ〜」とクローバーの国の王子。
杏は大きくため息をつきたくなる。この鬱陶しい人たちは、いつまでも杏のそばから離れない。
三人の誰かを杏は選ばなければならない。この三人の誰かと、杏は結婚しなければならないのだから……。
こうなってしまったのは、一ヶ月ほど前に遡る。
杏が十六歳になった半年前、杏はお母さんに鏡の前に立たされた。
「お母さん?何で鏡の前に立たなきゃいけないの?」
全身が映る鏡には、不思議そうな顔をした自分の顔が映っている。
「ふふ。とってもステキなことが起こるのよ」
「杏、君は僕のものだよね?な〜んで他の男にそんなことしてるのかなぁ?」
そう言いながらクローバーの国の王子は杏に近付き、杏の頰に優しくキスをする。
「ひゃっ!」
杏の体がびくりと震える。三人の王子は、満足げに笑った。
「……お前、かわいいな」とスペードの国の王子。
「だぁい好き!」とダイヤの国の王子。
「もう!僕以外の人にそんな顔見せないでよ〜」とクローバーの国の王子。
杏は大きくため息をつきたくなる。この鬱陶しい人たちは、いつまでも杏のそばから離れない。
三人の誰かを杏は選ばなければならない。この三人の誰かと、杏は結婚しなければならないのだから……。
こうなってしまったのは、一ヶ月ほど前に遡る。
杏が十六歳になった半年前、杏はお母さんに鏡の前に立たされた。
「お母さん?何で鏡の前に立たなきゃいけないの?」
全身が映る鏡には、不思議そうな顔をした自分の顔が映っている。
「ふふ。とってもステキなことが起こるのよ」