空に向かって


「…私には…そんな資格ないんです」

ここに来ることも、水樹さんに想いを寄せたり、私にはそもそもそんな資格なんて持っていなかったんだ。

私はただのミーハー。

青木をいじめてた主犯格。

…青木が大事に囲われてるこの場所は、私からきたら居心地悪いに決まってる。


「中に入らないつもり?」

照彦は一歩前へと出る。

そして私の目の前を塞ぐ。


「アタシはランから連れて来いって命令受けてるの。アンタもさっき聞いたでしょ?無理やりでも引きずってでも連れていくわよ。総長命令なんだから逆らえないでしょ?」


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