空に向かって


無言が辛い。

私も部屋から出よう、クルッと踵を返し照彦の後を追おうと扉に手を掛けると、


「座れ」


松田は診察台の上に乗っていたブランケットを取ると、そこへ座るように促す。


「さっさとしろ」

「…はい」


なんでそんなに偉そうなわけ?

なんてチキンな私は大口を叩けずにいた。

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