空に向かって


最後に傘を渡して、


「青木の事、紅蓮連合のみんなに言えば?それでアンタも照彦もスッキリするでしょ」

玄関のドアをあけて、ザーザーと降る雨の中秀虎を無理やり帰らせた。


何を喋るわけでもなく、ただ黙って私の言うことを聞いていただけ。


帰る間際、秀虎が小さな声で

「ごめん」

そう呟いた。

< 304 / 321 >

この作品をシェア

pagetop