空に向かって


そのごめんが何を意味するのかも、どんな想いを込めて言ったのかも、その時の私は想像することも出来なかった。



扉を閉めて彼の背中を見送った私は静かに扉を閉めて玄関でうずくまる。


暗いジトジトとした空間に残ったのは、

廊下にポタポタと涙の跡を残した斑点模様と

未だに止まることを知らない涙、そして最後に言われた、

「ごめん」

今にも泣きそうに歯をくいしばる秀虎の表情と耳に残る悲しげな声だけだった。

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