空に向かって


「…そうですか」

私の言ったことを白い紙にメモしていく。


「穂積さん」

中年の男の先生はペンを止めて私を見る。


「親御さんと話をしたいんだけど、今日は一緒ではないですか?」

「いえ…一人です」

「今日…明日でもいいんですけど、一度親御さんと一緒に来て頂けますか?」

出来るだけ早めに、そういう先生に嫌な予感がしたのは言うまでもない。


「あの、」

まさか、ね。

「私…」

だって私って元気だし。


「どこか悪いんですか?」


それだけが取り柄だし。


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