空に向かって


「青木まじで帰ってこなかったねー」

ケラケラと楽しそうに笑う同じ中学校だった盛り上げ役のユーミン。

「だねー、いい気味ー」

ファストフード店でポテトを食べながら今日も青木の愚痴。

もうこれが日課になっている。

私たちは所謂スクールカースト1軍というやつである。

だから誰も逆らわないし、指図もしない。

いつの間にか私がその一軍のリーダー的存在になっていた。

「ねぇー詩織は最近どうなのー?」

そう上目遣いでジュースを飲みながら聞いてくる麻美。

< 7 / 321 >

この作品をシェア

pagetop