好きにならないはずがない
あの、さ。前から言いたかったんだけど……
はっ!?怖いって、何が?それとも、私が怒るような何かを、君はしたわけ?
あ~、違う違う、そうじゃなくて。
私は、ね。小五と小六の担任の先生に『話をする時、聞く時は、相手の目を見なさい』と何度も言われたの。先生が話している時に、先生と目が合わなかったら、それだけで注意されてたの。まだまだ落ち着きのない子どもたちを、自分の話に集中させる為だったと思うんだけど。
いや、今はこの話はいいか。
という訳で、話をする時はどうしても相手の目を見ちゃうの。あっ、相手の様子を見て、ちょっと視線をずらすくらいは、ちゃんとしてるよ。
で!君の場合……私が君の目を見て話していると、どうして、その……真っ直ぐに私を見つめ返してくるかな。
きっ、君は、女の子からの熱い視線なんて慣れているんだろうけど、私は全然なんだから!
君に見つめ返されて、だんだん居たたまれなくなって、でも目を逸らすのは、なんか悔しくて。
一人で勝手に勝負して、いつも敗北感を味わうの。
だ・か・ら!
私と話す時は、ちょっと目線、ずらしてくれない?
え~って、何よ!君の視線は武器になるから。よ~く覚えといて!
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