そーだ、
「…ごめん」


これは全面的に私が悪い。


ふわっと懐かしい匂いに包まれた。


彼に抱きしめられてる。


「やだ」


「え?」


「喜んで欲しい。」


あー、なんでこんなにドストレートな人に試すようなことしたんだろう。


試さなくたってわかるのに。


「嬉しい」


「勇気出してよかった。」


「勇気出してくれてありがとう」


また恥ずかしいのか右斜め下を向いた彼。


「ねぇ、これどんだけ重いか知ってる?」


「えー?知らん。」


知らないけどだいぶ重いだろうね。


だって紙袋2袋パンパンだもんね。


「勇気出すなんて柄にもないことして疲れたからもう俺だけじゃ持てない。」


「何言ってんのよ」


「だからさ、

一緒に持って帰ろ?」


右手を取られた私には選択肢はなさそう。
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