怖い真っ赤な炎の君に
『あの日君は言ったよね?』

俺は、夢の中で女の人に語りかけられてい

た。

少し高い声で、何処か切なそうな声で…。

『迎えに来てくれるって…?でも、君

は…。』

そして、俺の脈は加速していった。

夢のはずなのに、汗が止まらない…。

「夢よ、覚めてくれ…!」と、暗示を唱える

ように言い聞かせるが、脈の鼓動は加速していく

一方。

『迎えに来なかったよねぇ…。』

次の言葉に、俺は背筋に寒気が走った。

恐怖心が消えず、足がガクガク震えていた。

立ってもいられず、俺はその場でへたり込ん

だ。

『でも、もう大丈夫だよ。』

「え…?」

その言葉に、ようやく終わるのだと顔をあげ

ると、そこには赤い涙を流した女の人がニコ

リと微笑んでいた。

体からは土の匂いがし、怪我の跡も酷かっ

た。

『貴方もこっちに来ればいい話だから。』

ドスッ
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