幼なじみくんの本気は危険です!
ため息をついて、あからさまに嫌そうな顔をする。
そんな親友を見て、私は心がえぐられるように痛かった。
『私のこと、最低だと思っていいから。その代わり、もう私に関わらないでね。巻き込まれんの嫌だし』
『……わかった。私と一緒にいるの、辛かったよね。今まで迷惑かけて、ごめん……』
『……じゃあね。あとはひとりで頑張って』
ガラガラッと音を立てて閉まる教室の扉。
私は、その場に力なく座りこんで声を押し殺しながら泣いた。
どれだけ泣いたかわからなくなったところで、教室の扉が勢いよく開いた。
目を向けると、そこには息を切らせた悠真が立っていて。
悠真に背中をさすられ、どうかしたのかと聞かれても泣き続ける私。
そんな私を悠真は抱きかかえて教室を後にした。
そこからの記憶はなくて、気づいたら自分の部屋のベッドで寝ていたんだ。
次の日学校に行くと、親友は他の友達と仲良さそうにしていて、私は本格的にひとりぼっちになった。
女帝グループはそんな私を見逃すはずもなく、卒業するまでとことんいじめられた。
でも、どんなにいじめられても不登校にはなりたくなかった。
それは、いじめなんかに負けたくないという私のプライド。
少しだけ残ったそのプライドをかき集めて、最後までいじめに屈さなかった。
きっとそうでもしないと、私は簡単に壊れてしまっていたから。
偽りの強さで見栄を張って、本当の自分は隠したままなんだ。
──昔も、今も。