幼なじみくんの本気は危険です!
秦野さんは、すごく優しい子だと思う。
それは少し話しただけでわかった。
自分よりも私をいちばんに気にした彼女は、誰よりも優しくて純粋で。
人のことを考えられる子だってわかる。
だったら……友だちになることを拒む理由なんて、ない。
「秦野さん」
「は、はい……」
私は深く息を吸って、秦野さんを見つめた。
「……──こんな私でよければ、よろしくお願いします」
同時に手を差し出して、笑顔を浮かべた。
「え……ほ、本当ですか!?」
「秦野さんがよければ、なんですけど」
「いえ!私は新橋さんがいいです!」
そう言われると、ちょっと照れるな……。
私なんかのどこがいいのかわからないけど、秦野さんが私がいいって言ってくれるなら、期待に応えようと思う。
「これからは友だちとしてよろしくね、優月」
いきなり呼び捨てはダメだったかな……?
チラッと見てみると、嬉しそうに笑っていた。
「うん、よろしくね!あ、向葵……ちゃん」
私の名前も呼び捨てで呼んでくれようとした優月。
だけど呼び慣れていないのか、結局ちゃん付けになってしまったみたい。
残念そうな顔をする優月に思わず笑みが浮かんだ。