幼なじみくんの本気は危険です!
「ご、ごめんね。私、慣れてなくて。でもいつか絶対呼べるようにするから……!」
「うん、待ってるね」
それから2人で話していると、突然優月が何かを思い出したような顔をした。
「どうかした?」
「向葵ちゃん……授業、忘れてた!」
「あ……」
「ど、どうしよう!?」
私は保健室に行くって言って教室を出てきたから、授業に戻らなくてもいいけど……。
優月の様子を見る限り、保健室に行く感じじゃないし。
どうしたんだろう。
「優月はどうして廊下にいたの?」
「教室に忘れ物しちゃって。先生にはすぐに戻るって伝えたから、今頃怒ってるかも……」
サーッとどんどん顔が青くなっていく優月。
確かにそれはちょっとまずいかもな……。
でも今さら戻ったところで、今まで何をしていたか聞かれるだろうし、怒られることは避けられない。
戻っても戻らなくても怒られるんだったら──
「……サボっちゃおうか」
「え?」
「このまま授業、サボらない?」
廊下の窓から入ってきた風が私たちの髪を揺らすと同時に、優月の目が大きく見開かれた。
「サボ、る?」
「あ、嫌だったらいいんだけどね」
慌ててそう付け足すと、優月は首を横にブンブンと振った。