幼なじみくんの本気は危険です!
「向葵ちゃんと一緒にサボる!」
友だちとサボったりするのが夢だったの、と頬を少し赤らめた優月。
そんな優月を見て、ニヤニヤが止まらない。
可愛いなぁ、もう!
こんな天使がいたんだってぐらい可愛い。
私はまだ顔が赤い優月の腕を掴んで、屋上へと向かった。
「向葵ちゃん?どこに行くの?」
「屋上!」
「屋上?…って、確か入れなかったはずじゃ……」
困惑する優月にドヤ顔をする。
「着いてからのお楽しみってことで!」
そう言うが早いが、私は屋上まで優月を引っ張って行った。
そして屋上に着いたとき、優月は初めて入る屋上にずっと興奮していたんだ。
私は、そんな可愛い優月を見てずーっとニヤニヤしてたけど。
授業終了を知らせるチャイムが鳴ったあと、私たちは教室に戻った。
優月と喋りながら普通にドアを開けると、それまで騒がしかった教室がいきなり静まり返った。
……なんかこの光景、前にも見たことあるような気がする。
「……え、アイツ友だちいたの?」
「そんなわけないって。てかさ、アイツの隣にいるの秦野さんじゃん」
「あー、陰キャ同士で仲良くしようってわけね。なにそれウケる」
席に座ろうとすると、永野さんたちのグループがまた悪口大会を始めた。
私は友だちをつくることも許されていないんですか?
それこそ、なにそれウケるだわ。