幼なじみくんの本気は危険です!



「向葵、帰ろ」



「う、うん」



教室で話しかけられるのはあまりないから、少し戸惑ってしまう。



ほら、いつもは永野さんたちが目を光らせてるから。



私たちが話してると変な誤解を生んじゃうんだ。



だからなるべく教室では話さないようにして、登校するときは学校から少し離れたところで解散してる。



下校も少し離れたところから一緒にしてるんだけど……。



悠真、どうしたんだろう。




「あ、待って!優月にバイバイしてない」



私の腕を掴んでズルズルと引きずって帰ろうとする悠真を呼び止め、優月のもとへ走っていく。




「優月、バイバイ!」



「うん、また明日ね!」



微笑む優月を見届けると、私はまた悠真のもとへ行く。




「ごめんね、お待たせ」



「……ん」



やっぱり、少し変だ。



いつもの悠真じゃない。




「悠真?どうかしたの?」



校舎を出て、周りに人がいなくなったタイミングで聞いてみた。




「いつの間に秦野さんと仲良くなったの?」



「ついさっきだけど……」



優月のこと?



なんで悠真が優月のことを気にするんだろう。



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