幼なじみくんの本気は危険です!
「……向葵さ、もう友だちはつくらないって言ってなかったっけ」
「うん…言ったよ」
「じゃあなんで仲良くなってんの?」
らしくない声が聞こえて思わず顔を上げると、すごく不安そうな顔をした悠真がいた。
「大丈夫なの?秦野さん。優しそうだけど、ちゃんと信じられんの?」
悠真の言いたいことはわかる。
きっと、私が優月に裏切られて中学と同じ目に遭ってしまうかもしれないってことをを心配してるんだ。
もし悠真の立場だったら、私だって心配する。
だけど……
「優月は、絶対大丈夫。まだ出会って間もないけど、それだけは確信できる」
私は悠真の目を見てはっきりと言った。
「……向葵がそこまで言うなら大丈夫か」
ぼそっと呟いた悠真。
「え?」
「ごめん、秦野さん疑って」
謝ってくれた悠真を見て、私はほっと安心した。
よかった、悠真が信じてくれて。
このまま反対されたらどうしようかと思った。
「わかってくれたならいいの。優月はすごくいい子だから。……あ、あと今度の球技大会で、たまたま同じバスケに出ることになってたんだ!」
「よかったじゃん」
私は満面の笑みを浮かべて、大きく頷いた。