幼なじみくんの本気は危険です!
私の名前は、新橋向葵(しんばしあおい)。
高校生になって少しの16歳。
それと、私の前でいまだに笑ってるこの男は、瀬名悠真(せなゆうま)っていう名前の少々腹が立つやつ。
私たちは生まれたときからずっと一緒にいる、幼なじみ。
──でも、私たちは普通の幼なじみじゃない。
お互いに同じ秘密を抱えている、ワケありな幼なじみなんだ。
「……あー、笑った笑った」
「最低!人の不幸を笑うなんて!」
私は長い前髪の間から、悠真の髪と同じダークブラウンの二重の瞳を睨みつける。
「ごめんって。あんまり怒るなよ」
「怒ってないし」
「そんなに怒ると、せっかくの美少女が台無しになるけど」
「う、うるさい!美少女は怒っても可愛いんだ、バーカ!」
「ちょっとは否定しろよな」
悠真に呆れたような視線を向けられた。
悠真の言う通り、私の顔はそこそこ整っていると思う。
自分で言うのもなんだけど、昔から男の子によく告白されてたし、いろんな人から可愛いって言われてた。
だから、私は自分の容姿を自覚してない天然鈍感女子じゃないし、いちいち否定したりなんてしない。