幼なじみくんの本気は危険です!
「向葵?どうかした?」
「……なんでもない」
これ以上聞かないで。
一度口にしちゃうと、止まれないから。
口にしたら……悠真が傷つくだけだから。
絶対に言いたくなくて口をかたく閉ざして下を向く。
だけど、悠真は私の顎を掴んで無理やり顔を上げさせた。
「向葵、言って。言わないとこのままだから」
「……、嫌だっ」
「向葵」
制するように名前を呼ばれ、思わず息が詰まる。
いつもそう。
私が本音を言えないとき、悠真は必ずこうして私に言わせるんだ。
どっちも譲らない性格だけど、結局私が折れて話すことになる。
……ほら。
今も悠真が真剣な目を向けてくるから。
私は悠真の優しさに、甘えて言っちゃうんだよ。
「……悠真はどうして私のそばにいてくれるの?」
「どういう意味だよ、それ」
眉をしかめる悠真。
私はお構いなしに言葉を続ける。