幼なじみくんの本気は危険です!
「だって私、関係ない悠真を巻き込んだんだよ?したくもない格好を悠真にさせて……。自分ひとりじゃ抱えきれなかったのを悠真にも抱えさせた」
「それはちが、」
「違わない!」
違うと否定しようとしてくれた悠真を遮って叫んだ。
今までの思いが堰を切ったように溢れ出す。
止まらない、止められない。
「“あのとき”だってそう!いつも私は人に迷惑をかけるの!悠真だけじゃない!“あの子”にも辛い思いをさせた!」
忘れもしない中学時代。
“あのとき”のことは、はっきりと脳裏に焼き付いてる。
「……向葵」
「私は、人を傷つけるから……!誰のそばにもいちゃいけない、一人でいなきゃいけない存在なんだよ!」
「向葵!」
感情をありのままに吐き出す私に、悠真が珍しく声を荒らげた。
その声にビクッと肩が震えた私を、悠真がそっと抱き寄せる。
「な、に……」
「向葵は何も悪くない。人を傷つけてもないし、迷惑もかけてない。なんで向葵は、自分を苦しめたアイツらを恨まずに自分を責めるんだよ」
「………」
いつになく真剣な悠真の声に、私は何も言えなくなる。