幼なじみくんの本気は危険です！

｢もう自分のことは責めなくていい。俺を責めて。気づけなかった俺がいちばん最低だから｣



｢……！何言って、｣



悠真がいちばん最低？



そんなの、絶対ありえない。



あれは……全部私が悪かった。



悠真は全く関係なかったんだから。




｢向葵は全部ひとりで抱えこみすぎなんだよ｣



｢そんなこと、ない……｣



｢なんのために俺がいると思ってんの？ちょっとは俺に頼って。俺が絶対、向葵を助けるから｣



｢……っ！｣



悠真は私を抱きしめる腕を強める。



悠真の優しさにふれて、涙が滲んだ。




｢……向葵。俺は向葵に巻き込まれたなんて思ってない。向葵が背負ってるものを一緒に背負いたかったから、地味な格好をしてんだよ。だから、巻き込んだとか、ひとりでいなきゃいけない存在だなんて、言うな｣



｢……うん｣



｢向葵はひとりじゃない。……俺がいるから｣



｢……うん、っ｣



溜め込んできた思いを吐き出し、悠真の気持ちも聞いて安心したのか、今度は涙が溢れ出す。



子供のように泣く私を、悠真は黙って抱きしめてくれた。



悠真の腕の中で思い出すのは、あの頃──中学時代のことだった。