【完】Mrionation
溺れていく時間。
私は、気持ちの中にひたひたと聖水が増しておくような、そんな気持ちになっていった。
彼の全てが愛おしい。
狂ったように、渦巻く恋模様。
それを誰が、そんな中に不穏な影を見つけることが出来るだろうか…。
誰が、…この想いを留めなければならない日が来るだろうと思うだろうか……。
キラキラと輝く毎日に、私の思考は麻痺していった。
それくらい、彼との日々が美しく夢のようだった。
恋に溺れることは容易い。
彼の心に縋って胸を焦がし、爛れていくことさえも…。
けれど、何処かで警鐘が鳴り響く。
このままでは、駄目だ。
このままではいつか私は駄目になる。
そんな風に思ってしまうのは、彼を愛し過ぎているからかもしれない。
彼に…既に息もできないくらい、心を全て持って行かれているかもしれない…。