ようこそ異世界レストランへ～食材召喚スキルで竜騎士とモフモフ手懐けます～

（ミーナさんの代わりに、私が親孝行させてもらってもいいのかな……。でも本当の娘がすべきことだよね。この先、ミーナさんの魂が戻ってくることはないの？）


心の中で問いかけたはずなのに、ニンジンスティックを二本も愛しそうに抱えているジャンポールが、答えをくれる。


「その娘の抜けた魂は、おそらく新しい命として別の肉体に宿っておることじゃろう。心配せんでも戻ってこないぞ」

「そうなんですか……」


美奈の気持ちは、かなり前向きになる。

それならば、このままでいても……と思うが、完全に決断するまでにはあと一歩。

力強い励ましが必要だ。


口に詰め込んだ千切りキャベツとポテトサラダを飲み込み、最後まで取っておいた唐揚げのひとつをパクリと頬張ったライアスが、切れ長の瞳を美奈に向けた。

麗しい青みがかった黒い瞳に捉えられた美奈は、心臓を大きく波打たせて息をのむ。