ようこそ異世界レストランへ~食材召喚スキルで竜騎士とモフモフ手懐けます~
「私はどこにもお嫁に行きません。このレストランでずっと働きたいんです」


「あちゃー、またふられた」と額を押さえておどけて見せるマッキオに、エルネが呆れている。


「うちのチャラ男がいつもごめんね」と謝るエルネの声は、今日もハスキーで低い。

どこをどう見ても美人で色気のあるお姉さんだが、エルネは男性である。

体と心の性が一致していないわけではなく、ただ女性らしく振る舞うのが趣味なのだそう。

ひとたび敵と剣を交えれば、誰よりも雄々しく勇ましく戦う騎士なのだと、この前マッキオがこっそり教えてくれた。


「皆さん、今日のお食事はいかがでしたか?」とミーナが感想を求めれば、マッキオとエルネが「最高!」と言ってくれる。


「スパイシーな香りが食欲を刺激するのね。お代わりしたくなったけど、太りたくないから我慢したわ」

「白い粒状のライスってやつ、茶色のソースに絡めたら抜群だな。あっという間に平らげたよ。俺っち、次回もこれ頼もう」


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