この空の下
私がおとなしくなると、隆哉さんも動きを止めた。


ごろんとベットに横になり、

何も話さず、色々と考えを巡らせている。


私も、『ごめんなさい』と何度か言いかけて言えなかった。

そんな言葉では言い尽くせない気がした。


隆哉さんに背を向けて横たわる私。

思い出したように、ギュッと背中から抱きしめられた。

その力強さと暖かさは、空とは違うもの。


「少しだけこうしていて」

優しい声。

それ以上、隆哉さんは何もしなかった。



ヤバイ。

私の心が揺れている。



空を誤魔化すための芝居だと分かっているのに、気持ちの整理が付かない。
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