この空の下
ホールに戻ると、何事もなかったようにパーティーは続いていた。


「申し訳ありません。酔っ払ってしまったみたいで、ご迷惑をおかけしました」

近づいてきた空が、頭を下げる。

「いえ、僕の方こそ乱暴なことをしてすみません」

隆哉さんも謝った。


理事長が見守るなか、2人で握手をして和解となった。



とりあえず、大事にならずにすんで良かった。

そう思ってホッとしていると、麗子さんが寄ってきた。


「先生。すみませんでした」

「いえ、こちらこそごめんなさい」

「良かったら連絡先を交換させてください」

「いいけれど・・・」


携帯を取りだし、手際よく登録していく麗子さん。


どんなに頑張ってもお友達にはなれない関係なのに、今はまだ言えない。

ごめんなさい。

心の中で繰り返した。
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