この空の下
ピアノの演奏は15分ほど続いた。

とても素敵だった。

あの細身の彩葉さんとは思えない力強い曲もあり、さすがプロだと感心させられた。



演奏も終わりパーティーもほぼ終了。

帰って行く招待客。


隆哉さんは放心状態のまま。



そこに声をかけたのは彩葉さんの方だった。


「久しぶりね」

「ああ」

言葉少なに交わされる会話。


そこは私が踏み込んではいけない世界の気がした。


私はその場を逃げ出した。



『先に帰ります』と伝言を残し、私は帰ることにした。
< 113 / 405 >

この作品をシェア

pagetop