この空の下
「まあいいわ。先生が相手なら文句もないし。健康そうだし。私だってわざわざここを閉めたいわけじゃない。頑張ってここを続けてください。隆哉のことも、ちゃんと見張っていてくださいね」

「イヤ、そんな」

何か誤解されている気がする。

私と隆哉さんは何も・・・



「理事長お茶を入れましょうか?」

多恵さんがドアの前から声をかける。


「いいわ。言いたいことは言ったから、帰ります」

そう言うと本当に腰を上げた。


「じゃあ、隆哉のことをくれぐれもお願いしますね」

「いや、私と隆哉さんは・・・」



言い訳しようとする私をよそに、理事長は帰ってしまった。
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