この空の下
「どうぞ」


ちゃんとカップまで温めて入れられた紅茶。

いつも病院で飲むティーパックとは大違いで、とってもいい香り。


「その後体調はいかがですか?」

「ええ、悪くありません。やっぱり生まれた土地の物っていいですね。食事が美味しくて、つい食べ過ぎてます」

フフフ。

と笑って見せた。


確かに、以前病院で会ったときよりも顔色がいい。

「お元気そうで何よりです」

「ありがとうございます」


こうしてみると彩葉さんはやっぱり美人だ。

それに、隆哉さんともお似合い。


「先生、隆哉にご用なんですよね?」

「え?」

突然本題に入られて、言葉に詰まった。
< 126 / 405 >

この作品をシェア

pagetop