この空の下
「でも、マンションに入れたってことは気持ちが残っているってこと。きっと許してくれるわ」

「そうだと良いんですが。先生は、私と隆哉のこと応援してくれますか?」


えっ。


「ええ、応援するわ」


言葉にしながら、なぜか心が痛んだ。


本心と違う言葉を口にしたせいなのか、

彩葉さんに対する嫉妬なのか、

それは分からない。


ただ確かなのは、これ以上隆哉さんの側にいてはいけない。



この時、私は診療所を辞める決心をした。
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