この空の下
「私は隆哉さんの友人の1人です。それ以上ではありません」

「じゃあ何で辞めるの?」

「えっ、それは・・・」


それ以上の説明もできず、会話は止ってしまった。




「まあいいわ、分かりました。こちらとしても後任を探してみます。ただ、もう一度考えてみてください。あなたを頼って診察に来る患者さんが大勢いるんです。その責任はちゃんと感じてください」

「はい」


理事長の言うことはもっともだ。

私の行動は無責任なのかもしれない。

でも、今はこれがベスト。

そのことに対する批判は、きちんと受けよう。




「じゃあ、診察があるので。これで失礼します」

そっと手を離し、私は立ち上がった。

「先生、気が変わったらいつでも言ってください。待ってますから」

「はい」
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