この空の下
「ねえ、ご飯とブイヤベースもらっていい?」

「ええ。もう出来たと思うから」



今日は特別。

龍之介の命日だから、

共通の友人のために飲んでいるだけ。

自分自身に言い聞かせた。




「ああ、そういえば。お前が好きだったから、唐揚げとポテトサラダも買ったけど」

「ああ、ありがとう」


あの店の総菜は冷めても美味しくて、冷凍してはリメイクしていたっけ。

唐揚げは卵でとじて唐揚げ丼。ポテトサラダはサンドイッチの具材に

えっ、

待って、

「ごめん。それはいいわ。あなたから貰うわけにはいかない。今夜は龍之介の供養のために上がってもらったの。それ以上はダメ」

「どんな線引きだよ。俺とお前が友達であることは変わらないはずだろう。友達に物をもらって何が悪い?」

「それは・・・」
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