この空の下
その後退職を約束した月末まで何事もなく過ごし、本当にあっさりと勤務は終了した。


大学病院からの応援も決まり、足りない曜日には医学部の後輩がバイトに来てくれることとなった。


心残りは、慕ってくれた患者さんのこと。

本当はもっと診てあげたかった。

でも、これが私のけじめの付け方。

決めたことだから。



後ろ髪を引かれるような思いで荷物をまとめて、私は御崎診療所を後にした。


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