この空の下

吉川さんとのデート

年末に向けてイベントが一杯あってお金も一番かかる時期に、私は無職になってしまった。


もう御崎診療所へ行くこともなくなった。

多恵さんや、梅さん、修さんを思い出すと、寂しくなったりもするけれど、間違った選択ではなかったと信じてる。

それに、私の紹介で週に２度御崎診療所へ勤務することになった後輩が診療所の様子を知らせてくれる。

みんな元気ですよと聞くたびにホッとしてしまう。

どうやら私は御崎診療所が好きだったみたい。



ピコン。

メール。

吉川さんからだ。


診療所をやめてアパートに戻ってから吉川さんからの連絡が頻繁に入るようになった。

始めは、『先生、どうして辞めたんですか？僕のせいですか？』

それを見て、私の方が驚いてしまった。

『違いますよ。一身上の都合です。吉川さんは関係ありません』

『じゃあ、１度食事に付き合ってください』

又、誘われてしまった。
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