この空の下
「羽蘭さん。僕と付き合ってくれませんか?」

ある程度予想はできた言葉。

でも、



「隆哉のことが気になる?」

「いいえ」

としか答えられない。


「僕と付き合ってくれれば、苦労はさせないよ」

「はあ」

「君1人食べさせるのも平気だし、仕事を続けたいならそれでもいい。人生が終わるときに『ああ、いい人生だった』と言わせてみせる」

うわー、大きく出た。

「ねえ、考えてみてくれない?」

「はあ」

さっきから私はそればっかり。

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