この空の下
救急車は15分ほどで来たが、その後の事務処理や家族との連絡にも追われ会議を2つほどキャンセルした。


やっとデスクに戻ったのは夕方。

あー忙しい1日だったと息をつこうとしたとき、


「施設長」

携帯片手に職員が近づく。


『もしもーし』

携帯の向こうからは、救急車に同乗して行った看護師の声。


「もしもし、どうしました?」


『出ました』

はあ?

どんなお化けでも出たのかと思ったが、すぐにピンときた。


『インフルエンザAです』

「えっ」

俺は言葉を失った。
< 206 / 405 >

この作品をシェア

pagetop