この空の下
その夜、隆哉さんに会うことにした。

吉川さんには急用ができたと伝えた。

残念そうだったけれど、納得してくれた。



午後9時。

診療所の駐車場。


街灯1つだけの寂しい場所。

こんな時間に人通りがあるはずもなく、

1時間近く止まっている私の車は、かなり怪しい。



ププ。

走り込んできた車からのクラクション。

隆哉さんだ。



「お待たせ」

「お疲れ様」

昨日の今日だもの、目が回るほど忙しいはず。



「中においてるんだ。行こうか?」

「ええ」
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