この空の下
随分久しぶりの御崎診療所。


懐かしいな。

ここは職場であると同時に半分住まいのようになっていた。

平日はほぼここに泊まっていたから。


「何か飲む?」

「いらない」


隆哉さんだって疲れているはず。

昨日も遅かったし、

それに、彩葉さんも待っている。


「忙しいんでしょ?荷物をもらったら帰るわ」

ここに長居すれば、気持ちが揺らぎそう。


「ああ」

いいながら、隆哉さんは待合のイスの座り込んだ。


「隆哉さん?」
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