この空の下
「元々ですか?」


さすがに5歳。

もう少し受け答えができてもいいと思うけれど。


「それが・・・」

チラチラと日向ちゃんの方を見るお父さん。



「多恵さん。とりあえずレントゲンを撮るので、準備をお願いします」

「はい。じゃあ日向ちゃん、行こうか」

多恵さんが上手に連れ出してくれた。



「どうぞ」

日向ちゃんがいなくなった診察室で、お父さんに席を勧める。

「ありがとうございます」


「何か事情がおありですか?」

「ええ」


お父さんはフーと息を吐き、「実は」と話し出した。
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