この空の下
言っている間にホテルに到着。

「いらっしゃいませ」

ドアマンに車を開けてもらい、下りるのさえ恥ずかしい。



「ほら、行くよ」

全く気にせず、空は入っていく。



仕方ない。

私も空の後に続いた。




「いらっしゃいませ」

そこは数え切れないくらい来た、行きつけの店。


カウンターに座ると好みの飲み物が出てくる。

いちいち注文なんかしなくても、好みもその日の気分さえ気付いてくれるマスター。



「お久しぶりです」

静かな口調で声をかけられて、

「ええ」

思わず笑顔を返してしまった。
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