この空の下
「なあ?」


懐かしさに浸ってしまた私を、空が覗き込んでいた。


「何よ」

「そろそろ、俺が恋しくないか?」

はあ?

ポカンと口を開けて、空を見た。



「なあ、いい加減戻って来いよ」

「・・・」

「仕事も見つからないらしいじゃないか」


フン。

元を正せばあんたのせいよ。


口をきくにもなれず、私はグラスに手を伸ばした。
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