この空の下
しばらく走って、着いたのは別のホテル。


「どうする?無理強いする気はないよ」

抑揚のない言葉。



「吉川さんから聞いたの?」

「ああ。羽蘭が元彼と会うらしいって連絡が来て、気がついたら飛び出していた。どこにいるのかも分からないのにな」

自虐的に笑ってみせる。

心配して駆けつけてくれたんだ。


「ありがとう」

「バカ。危ないまねしやがって」

やっぱり怒ってる。


私の心は決まった。

「行きましょう」

覚悟はできている。



私達はホテルの中へと向かった。
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