この空の下
隆哉さんがチェックインしてる間、私はロビーで待った。


さっき、空に手をかけられたとき、
隆哉さん助けてと反射的に思った。

それで気づいた。

私が好きな人は空でも吉川さんでもないと。

もう、誤魔化せない。


たとえ私の行動が周りから非難される物であっても、その罰は甘んじて受けよう。

それでも、今は彼といたい。



「羽蘭」

キーを手に戻って来た隆哉さんが呼ぶ。

「何?」

「今夜は帰す気はないよ」


瞬間、耳まで真っ赤になってしまった。
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