この空の下
「ねえ隆哉。私、空にはもう会うつもりはないわ。もちろん偶然に会うことはあるかもしれないけれど、自分から会うつもりはない。でも、吉川さんには会ってちゃんと話をしなくちゃ」

「そんな必要は無い」


はぁー、またそんなこと言ってる。


「隆哉が彩葉さんとけじめをつけるように、私も吉川さんに話さなきゃいけないことはあるのよ」

隆哉は黙り込んだ。


「裕司さんに会うときは俺にも知らせてくれる?」


もー。

私は隆哉から体を離し、顔を見上げた。


「今の私には隆哉しかいないの。もう迷う気はない。私を信じて」

「本当に?」

「当たり前でしょう」


やっと納得してくれた隆哉。

もう一度優しく抱きしめてから、帰って行った。
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