この空の下
「多恵さん違いますよ。彩葉さんは悪くないんです。私が勝手に逃げ出しただけで」

「いいんですよ。先生は優しいんです。とにかくさっさと結婚してください」


結婚ねぇ。

その気はないんだけど。


隆哉は25歳。まだ結婚を急かされる年ではないはず。

でも、後数年したらきっと話は出る。

その時はどうしよう。




「こんにちは」

玄関から声。

この声は、



「こんにちは」

ドアを開けて入ってきたのは、やはり隆哉だった。
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