この空の下
30分ほど走って、目的地に到着。


「大きな神社ね」

初めてくるところだけれど、立派な神社。


「ここは島根にある出雲大社の分社でね、有名ではないけれど由緒ある神社なんだ」

「へえ」


確かに、駐車場にも県外ナンバーの車がずらり。

わざわざ来る人がいるってことね。


駐車場から参道に入り木々の間を抜けて行くと、大きな建物が見えてきた。


私は立派な本殿に引き込まれるように歩いて行く。

砂利道を踏みしめる音さえも清々しい。


「蘭・・・羽蘭」

ええ?

呼ばれたことに驚き振り返ると、少し後ろに隆哉がいた。


「こっちこっち。手を洗わないと」

そう言って手招きされた。
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