この空の下
「俺はイヤだね」


「隆哉?」

「事情はあるんだろうけれど、親を嫌いだなんて言うんじゃない。今の自分を否定するのと一緒だぞ。良いことは自分の成果で、悪い事は親のせいなんて言うつもりはないだろう?」

「まあ、そこまでは」


私は今、叱られている。

3つも年下の彼に。



「説教じみていて悪いけれど、親は大事にしてくれ。仕事柄色んな家族を見てきて、家族に忘れ去られることが何よりも辛いことだと思うから」


そうか、ホームには色んな人がいるものね。


「ごめんなさい」


軽率だった。

口に出すべきだはなかった。
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