この空の下
「いいの」

分かっている。

つい空の名前を出して、隆哉を不安にさせたのは私。

でも、

こんな愛され方には慣れてなくて、

意固地になってしまった。



今度は私から、隆哉に手を回した。

ゆっくりと重なり合い、私達は1つになっていく。


隆哉の暖かさが、私を包み込んだ。

もうここからは抜け出せそうもないと、本能的に感じる。


「もう誰にも渡さない」

「私も」


今日もまた、隆哉で満たされてしまった。
< 295 / 405 >

この作品をシェア

pagetop