この空の下
見るからに脱水で、低栄養の状態。


「今、何キロですか?」

「・・・」

「彩葉さん?」

「・・・」


タオルを口に当てたまま、回答はない。


「彩葉」

隆哉が声をかけると、


「35キロ」

やっと答えてくれた。


でも、実際はもっと少ない気がする。


「多恵さん、点滴の前に体重を計りましょう。ゆっくりでいいから」

「はい」



私が点滴の指示を出している間に多恵さんが車いすを持ってきてくれて、彩葉さんは処置室へ運ばれた。


さあ、どうしたものかしら。
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